冷温停止

 我等 日本人にとって 2011年3月11日は生涯忘れることのできない地獄の一日となってしまいました。 津波は人々の命と暮らしを破壊しただけでなく、その容赦ない力は原発の崩壊にまで及んでしまいました。
 当初、原発の関係者は今回の事故をチェルノブイリの原発事故をレベル7とするならば、福島はレベル5程度と言い放って平然を装っていました。

 「あっ、そうなんだ」 チェルノブイリというほどじゃないと言うなら、事故もそのうち収束するんだなぁーと思っていました。 だから、お客さんでいかにも裕福そうな弁護士の人が「うちじゃ、女房と娘と孫娘を沖縄の知り合いに預けたよ!」と聞かされた時は、なんて大げさな騒ぎぶりだとあきれていました。

 でも、当時の管首相が3千万人もの避難を考えていたことが漏れ聞こえて来ると、「大げさな!」と思っていた弁護士先生はその時すでに事故のすごさを、危険を、情報としてどこからか手に入れていたのかもしれない。 そして、後日広範囲に飛び散った放射能がどういうもので、どのように人体に影響を及ぼすかということを知ります。 ヨウ素、ストロンチウム、セシウム、プルトニウムなどという様々な放射性物質が毎日のように報道され、その毒性がいかなるものかということも知るようになりました。 セシウムなんてやつは稲につくと、それを食べた牧畜に及び、その肉を食べた人間にまでまた及び、身体に蓄積されると内側で徐々に暴れだすと云います。 ああ、こんな危ない放射能をまき散らしてしまった原発事故に収束はあるのでしょうか。

 政府と東電は先日、ステップ2を終了したとして冷温停止と発表しました。 
 よくここまでこぎつけたなぁーと思いますが、言っている本人や関係者、実は誰もがそれを信じちゃいねぇだろ、というのが印象として残りました。

 廃炉まで40年後、俺は生きちゃいねえー。 が、今回の事故で日本人の多くの人が原発の何たるかを知り、いかに危険であるかを学び、見えない敵とともに暮らしていかなければなりません。 嫌だなぁー。 こんな危ねぇものが日本中に散らばっていて。

 儲け話ばかり言う奴は信じちゃいけねぇというが、便利だ、未来は明るい、なんて言う奴もまた、胡散臭いということを肝に銘じました。

   冷温停止って本当?

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